07.30
濃厚飼料の違いって?
濃厚飼料といえば、ヒマワリの種やサフラワーなど、脂質の多いシードのこと。
でも一口に濃厚飼料といっても、「アレはいいけどコレはダメ」という
話も聞くので、どう違うんだろう? と思って調べてみました。
まず、「脂質」といってもいろんな種類があります。
「脂肪酸」ってたまに聞きますよね?
リノール酸とかオレイン酸とかは聞き覚えがある方も
多いんじゃないかな~と思います。
「脂質」のくくりの中には「脂肪酸」が含まれていて、
どの脂肪酸がどれだけ含まれているかが、
濃厚飼料の主な違いになってくるようです。
健康ブーム到来以降、「必須脂肪酸」という言葉を耳にするようになりました。
ヒトの「必須脂肪酸」は、
n-6脂肪酸(リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸)
n-3脂肪酸(α-リノレン酸、 エイコサペンタエン酸 、 ドコサヘキサエン酸)
です。これらは体内で合成することができず、
食物から摂取しなくてはいけません。
必須脂肪酸の中でも特に重要なのが、リノール酸とα-リノレン酸。
リノール酸はn-6脂肪酸の原材料に、
α-リノレン酸はn-3脂肪酸の原材料になって、
これらを摂取すると他のものを体内で合成できるようになるのです!
(実際には体内で合成できる量には限りがあって、やっぱり食物から
摂取しないと必要量には足りないという説もあるみたいですが……)
さて、肝心の「どのシードに必須脂肪酸がどれだけ含まれているか」。
■ヒマワリ
リノール酸69.8%、α-リノレン酸0.9%
■サフラワー
リノール酸77.4%、α-リノレン酸0.1%
■アサ
リノール酸56%、α-リノレン酸19%、γ-リノレン酸3%
■エゴマ
リノール酸10%、α-リノレン酸60%
■小麦
リノール酸52.2%、α-リノレン酸6.1%
■青米
リノール酸37.5%、α-リノレン酸1.6%
■コーン
リノール酸52.2%、α-リノレン酸1.4%
■大豆
リノール酸50%、α-リノレン酸8%
(※上記一覧は食用油脂または化粧用油脂の脂肪酸組成なので、
数字は参考程度にしてくださいね!)
一番脂肪酸が理想的なのは麻の実だそうです。
ただ鳥の飼料としての麻の実にはちょっとした落とし穴があって……
麻の実を栽培すると大麻になりますので、
たとえばエサの残りを庭に捨てたのが芽を出しただけでも、
麻薬取締法違反で捕まってしまいます。
そのため蒔いても芽が出ないように、種を殺して販売しています。
他の皮付きシードは生きているので1年以上は余裕でもちますが、
麻の実は死んでいるのでどんどん酸化して腐敗していきます。
特にリノレン酸はとても酸化が早くて、
一般的に酸化が早いと言われているオレイン酸よりも
さらに15~25倍の速度で酸化していくとされており、
常に新鮮な状態で摂取しなければいけません。
ですから私は麻の実は使わず、α-リノレン酸の摂取には
エゴマを使うようにしています。
ただし上記で言う「必須脂肪酸」というのは飽くまでも
人間にとっての必須脂肪酸です。
鳥にとっての必須脂肪酸って分からないんですよね~(^v^;
飼鳥の栄養学がもっともっと進歩しますように!
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